RIZIN.45対戦カード詳細レポート!大晦日の熱狂と試合結果を完全網羅

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年末の風物詩として定着している格闘技イベント、RIZIN。中でも2023年の大晦日に開催された「RIZIN.45」は、ファンの記憶に強く残る大会となりました。現在でも「RIZIN.45対戦カード」と検索して当時の興奮を振り返る方や、これからのRIZINの展開を予想するために過去の結果を確認したいという方が多くいらっしゃいます。

本記事では、歴史的な一夜となったRIZIN.45の全対戦カードとその詳細な試合結果、そしてリング上で繰り広げられたドラマについて、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。あの日の感動をもう一度味わってみましょう。

RIZIN.45対戦カードの目玉:ダブルタイトルマッチの激闘

RIZIN.45の対戦カードの中で、最も注目を集めたのが2つのタイトルマッチです。軽量級の世界トップレベルの実力者たちが、ベルトと誇りをかけて激突しました。ここでは、大会のクライマックスを飾った2つの試合について、試合までの経緯や当日の展開を詳しくご紹介します。

堀口恭司 vs 神龍誠:因縁の決着とプロポーズ

メインイベントとして行われたのが、初代RIZINフライ級王座決定戦、「堀口恭司 vs 神龍誠」の一戦です。このカードには、単なるタイトルマッチ以上の深い「因縁」がありました。

両者はこれ以前に開催された「超RIZIN.2」で一度対戦しています。しかし、その時は試合開始直後に堀口選手の指が神龍選手の目に入ってしまうアクシデント(アイポーク)が発生し、試合続行不可能でノーコンテスト(無効試合)となっていました。この結果に対し、神龍選手が強気な発言を繰り返したことで、堀口選手も「クソガキをボコボコにする」と珍しく感情を露わにしていました。

再戦となったRIZIN.45では、序盤から緊張感のある展開となりました。若さと勢いのある神龍選手に対し、ベテランであり世界的な実績を持つ堀口選手は冷静でした。試合が動いたのは2ラウンド。堀口選手が巧みなグラウンドコントロールから神龍選手のバックを奪うと、そのままリアネイキッドチョーク(裸絞め)を極め、神龍選手からタップを奪いました。

見事な一本勝ちで初代王者に輝いた堀口選手ですが、試合後のマイクパフォーマンスでも会場を沸かせました。なんと、元RIZINガールの川村那月さんをリングに呼び込み、公開プロポーズを行ったのです。激しい闘いと幸せな結末という、大晦日らしいドラマチックなフィナーレとなりました。

朝倉海 vs フアン・アーチュレッタ:王座奪還への執念

もう一つのメインカードは、バンタム級タイトルマッチ「フアン・アーチュレッタ vs 朝倉海」でした。しかし、この試合は前日計量で波乱が起きていました。王者であったアーチュレッタ選手が規定体重を2.8kgもオーバーしてしまったのです。

【補足:体重超過時のルール】
タイトルマッチで王者が体重を超過した場合、その時点で王座は剥奪(空位)となります。試合は行われますが、挑戦者が勝った場合のみ王座獲得となり、体重超過した選手が勝っても王座は空位のままという変則的なルールが適用されました。

試合は、開始直後からスリリングな打撃戦となりました。アーチュレッタ選手はレスリング力を活かしたプレッシャーをかけますが、朝倉選手は得意の強力な打撃で応戦します。そして迎えた2ラウンド、試合を決めたのは朝倉選手の代名詞とも言える「膝蹴り(テンカオ)」でした。

アーチュレッタ選手のボディに強烈な膝を突き刺すと、動きが止まった相手に追撃のパウンドを浴びせ、レフェリーストップによるTKO勝利。見事にRIZINバンタム級のベルトを日本に取り戻しました。試合後、朝倉選手は「僕がRIZINのチャンピオンです。UFCに行きます!」と高らかに宣言。その言葉通り、後の海外挑戦へとつながる非常に重要な一戦となりました。

格闘技ファンが熱視線を送る:因縁と復活の対戦カード

タイトルマッチ以外にも、RIZIN.45の対戦カードにはファンを唸らせる好カードが並んでいました。特に、選手同士の個人的な感情がぶつかり合う「因縁の対決」や、元王者同士のサバイバルマッチは、会場のボルテージを最高潮に引き上げました。

平本蓮 vs YA-MAN:舌戦から生まれた名勝負

SNSや記者会見での激しい舌戦(トラッシュトーク)で注目を集めたのが「平本蓮 vs YA-MAN」です。YA-MAN選手はキックボクシングからMMA(総合格闘技)に挑戦し、直前の試合で朝倉未来選手をKOするという衝撃的なデビューを飾っていました。その勢いのまま、RIZINのフェザー級で存在感を増していた平本選手を挑発したことで、このカードが実現しました。

「平本は試合がつまらない」「YA-MANは素人」と互いに罵り合って迎えた当日。試合は予想に反して、非常にテクニカルな展開となりました。平本選手は感情的になって攻めてくるYA-MAN選手に対し、冷静に距離を取りながら正確な打撃を当て続けました。特に、組みの展開でもYA-MAN選手にテイクダウンを許さず、総合力での進化を見せつけました。

結果は判定3-0で平本選手の勝利。試合前は激しく対立していた両者でしたが、試合後には互いの健闘を称え合う姿も見られました。エンターテインメントとしての盛り上げと、競技としての質の高さを両立させた、RIZINらしい一戦だったと言えるでしょう。

クレベル・コイケ vs 斎藤裕:元王者同士の極上の潰し合い

玄人好みのマッチメイクとして話題を呼んだのが、元フェザー級王者同士の対戦、「クレベル・コイケ vs 斎藤裕」です。両者ともに一度はベルトを巻きながらも、その後苦しい時期を経験しており、再びトップ戦線に浮上するための「負けられない戦い」でした。

試合は、柔術のスペシャリストであるクレベル選手と、トータルファイターである斎藤選手の意地がぶつかり合う展開に。1ラウンド、2ラウンドと互いに譲らない攻防が続きましたが、徐々にクレベル選手がペースを掴んでいきます。

そして3ラウンド、クレベル選手が得意の寝技に持ち込むと、最後はダースチョーク(スピニングチョーク)で斎藤選手から一本勝ちを収めました。斎藤選手が失神するほどの強烈な絞め技で、クレベル選手が「柔術界の鬼神」としての健在ぶりを証明しました。この勝利により、クレベル選手は再びタイトル戦線への切符を手繰り寄せました。

扇久保博正 vs ジョン・ドッドソン:フライ級トップ戦線の攻防

フライ級戦線において重要な意味を持っていたのが、ベテラン扇久保博正選手と、元UFCファイターのジョン・ドッドソン選手の対戦です。ドッドソン選手は圧倒的なスピードとパンチ力でRIZINでも猛威を振るっており、扇久保選手にとっては非常に危険な相手と見られていました。

しかし、扇久保選手は「根性」のファイトスタイルを貫きました。ドッドソン選手の強打を警戒しながらも、粘り強く組み付き、テイクダウンを奪ってコントロールする展開を作ります。ドッドソン選手も必死に抵抗しましたが、扇久保選手の執念が上回り、判定3-0で勝利。

家族が増え、守るべきものができた扇久保選手の精神的な強さが光った試合でした。この勝利により、RIZINフライ級において日本人が世界と渡り合えることを改めて証明した形となりました。

女王の引退と異種格闘技戦:RIZINならではのドラマ

RIZIN.45対戦カードには、勝敗を超えた「物語」を持つ試合も含まれていました。女子格闘技のレジェンドの引退試合や、異なるバックボーンを持つ選手同士の対戦など、バラエティ豊かなカードが大会を彩りました。

山本美憂 vs 伊澤星花:伝説のラストダンス

女子レスリングの元世界王者であり、40代でMMAに挑戦した「鉄人」山本美憂選手の引退試合が行われました。対戦相手に指名されたのは、現RIZIN女子スーパーアトム級王者の伊澤星花選手。まさに「最強の現役王者」が引退するレジェンドを介錯するという構図です。

山本選手は入場から涙を浮かべ、会場も感動的な雰囲気に包まれました。試合では、山本選手がタックルを仕掛けるなど全盛期を彷彿とさせる動きを見せましたが、伊澤選手の対応力は圧倒的でした。伊澤選手は山本選手の動きに合わせてバックを奪うと、そのままリアネイキッドチョークを極めました。

結果は伊澤選手の一本勝ちでしたが、試合後にリング上で抱き合う両者の姿は、世代交代を象徴する美しいシーンとしてファンの心に刻まれました。山本選手の長年の功績に対し、会場からは惜しみない拍手が送られました。

太田忍 vs 芦澤竜誠:MMA適応能力の差が出た一戦

オリンピック銀メダリストのレスラー・太田忍選手と、K-1から転向してきた「悪童」芦澤竜誠選手の対戦も注目を集めました。芦澤選手にとってはこの試合がMMAデビュー戦。いきなりオリンピックメダリストと戦うという無謀とも言える挑戦でした。

試合開始直後、芦澤選手は独特のステップと打撃で威嚇しましたが、太田選手は冷静でした。一瞬の隙を突いてタックルを決めると、そこからは太田選手の独壇場。レスリング力で完全に制圧し、何もさせないままパウンドを打ち込み続けました。

最後は太田選手がダースチョーク気味に絞め上げ、失神KO勝利。MMAの厳しさと、太田選手の成長スピードを見せつける結果となりました。しかし、敗れた芦澤選手もその潔いキャラクターで、今後の成長に期待を持たせるコメントを残しています。

【RIZIN.45 関連の豆知識】
この大会では、休憩時間中などに2024年の展望も語られました。特に、朝倉未来選手と平本蓮選手の対戦の可能性や、ボクシング界のレジェンド、マニー・パッキャオ氏の参戦示唆など、翌年以降への伏線が多く張られた大会でもありました。

RIZIN.45 全試合結果と対戦カードリスト

ここでは、RIZIN.45で行われた全17試合の対戦カードと結果を一覧でご紹介します。オープニングマッチからメインイベントまで、全ての試合がさいたまスーパーアリーナを揺らしました。

※左側が勝者です。()内は決着方法。

第17試合(フライ級タイトルマッチ)
堀口恭司 vs 神龍誠
(2R 一本:リアネイキッドチョーク)

第16試合(バンタム級タイトルマッチ)
朝倉海 vs フアン・アーチュレッタ
(2R TKO:膝蹴り→パウンド)

第15試合(フェザー級)
クレベル・コイケ vs 斎藤裕
(3R 一本:ダースチョーク)

第14試合(フェザー級)
平本蓮 vs YA-MAN
(判定 3-0)

第13試合(女子スーパーアトム級)
伊澤星花 vs 山本美憂
(2R 一本:リアネイキッドチョーク)

第12試合(ヘビー級)
スダリオ剛 vs 上田幹雄
(2R TKO:レフェリーストップ)

第11試合(フライ級)
扇久保博正 vs ジョン・ドッドソン
(判定 3-0)

第10試合(バンタム級)
元谷友貴 vs ヴィンス・モラレス
(判定 3-0)

第9試合(バンタム級)
太田忍 vs 芦澤竜誠
(1R TKO:失神)

第8試合(フェザー級)
三浦孝太 vs 皇治
(2R TKO:レフェリーストップ ※皇治の勝利)
※三浦選手ではなく、皇治選手が勝利しました。

第7試合(ウェルター級)
イゴール・タナベ vs 安西信昌
(1R 一本:リアネイキッドチョーク)

第6試合(フライ級)
新井丈 vs ヒロヤ
(2R TKO:ハイキック→パウンド)

第5試合(フェザー級)
久保優太 vs 安保瑠輝也
(1R 一本:リアネイキッドチョーク)

第4試合(フェザー級)
新居すぐる vs 弥益ドミネーター聡志
(2R KO:右フック)

第3試合(キックボクシングルール・OFG)
篠塚辰樹 vs 冨澤大智
(判定 3-0)

第2試合(MMA特別ルール)
那須川龍心 vs シン・ジョンミン
(2R TKO:パウンド)

第1試合(バンタム級)
YUSHI vs 平本丈
(判定 3-0 ※平本丈の勝利)
※YUSHI選手ではなく、平本丈選手が勝利しました。

このように、全17試合のうち多くの試合がKOや一本決着となり、判定の試合も見応えのある攻防が繰り広げられました。特に前半戦からKOが続き、会場の熱気は最初から最後まで冷めることがありませんでした。

RIZIN.45が残した熱狂とまとめ

今回は「RIZIN.45対戦カード」をキーワードに、2023年の大晦日を彩った激闘の数々を振り返りました。この大会は、単なる一過性のイベントではなく、その後の格闘技界の流れを決定づける重要なターニングポイントであったことがわかります。

堀口恭司選手と朝倉海選手という二人の王者が誕生し、平本蓮選手などの次世代スターが実力を証明し、山本美憂選手という功労者がリングを去る。喜びと悲しみ、そして未来への希望が凝縮された一夜でした。

もし、これからRIZINを見始めようと思っている方がいれば、ぜひRIZIN.45の試合映像をチェックしてみてください。現在のストーリーラインにつながる重要な伏線や、選手たちの熱い想いを感じ取ることができるはずです。そして、次に開催される大晦日のRIZINにも、これに負けないドラマが待っていることでしょう。

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