朝倉未来の対戦成績:路上の伝説からRIZINでの激闘まで

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日本の格闘技界を牽引し、YouTuberとしても絶大な人気を誇る朝倉未来選手。彼のキャリアは「路上の伝説」として知られるTHE OUTSIDER時代から始まり、RIZINのトップ戦線での数々の名勝負まで、常にファンの注目を集め続けてきました。2024年7月の平本蓮戦での衝撃的な結末と、その後の引退表明は記憶に新しいところです。

この記事では、朝倉未来選手の通算対戦成績を詳しく振り返りながら、各試合がどのような意味を持っていたのか、その強さの秘密と共にやさしく解説します。単なる数字だけでなく、試合の背景にあるドラマを知ることで、彼の格闘家としての軌跡をより深く理解できるはずです。

朝倉未来の対戦成績:プロ総合格闘技の数字を見る

まずは、朝倉未来選手のプロ総合格闘技(MMA)における公式な数字を見ていきましょう。彼の戦績は、高い勝率とともに、判定決着が多いながらも確実に勝利を掴む「負けない強さ」を物語っています。

通算戦績と勝率の内訳

朝倉未来選手のプロMMA戦績は、一般的に22戦17勝5敗(または1無効試合)とされています(※集計媒体によりTHE OUTSIDERの一部試合を含めるかどうかが異なりますが、ここではRIZIN、DEEP、ROAD FCなどのプロ興行を中心とした数字を扱います)。

勝率はおよそ7割後半から8割近くを誇り、長らく国内フェザー級のトップ層に君臨してきました。特にRIZIN参戦初期の7連勝は圧巻で、国内外の強豪を次々と撃破し、「日本のフェザー級に敵なし」と言われた時期もありました。

フィニッシュ率と決着スタイルの特徴

彼の勝利の内訳を見ると、KO勝利と判定勝利がバランスよく存在しています。しかし、キャリア後半になるにつれて判定勝利の割合が増えていきました。これは彼が「カウンター使い」であり、相手の攻撃を冷静に見極めてポイントを稼ぐスタイルを確立したためとも言えます。

一方で、敗北した5つの試合(イ・ギルウ、斎藤裕、クレベル・コイケ、ヴガール・ケラモフ、平本蓮)のうち、クレベル選手とケラモフ選手には一本負け、平本選手にはTKO負けを喫しており、トップどころの強豪相手にはフィニッシュされる場面も見られました。

主なプロ戦績まとめ(抜粋)

・総試合数:22試合

・勝利:17勝(KO/TKO勝ち、判定勝ち含む)

・敗北:5敗

※エキシビション(メイウェザー戦)やキックルール(YA-MAN戦)はプロMMA戦績には含まれません。

判定決着から読み解くファイトスタイル

朝倉未来選手の最大の武器は「分析力」と「カウンター」です。無理に攻め込むのではなく、相手が動いた瞬間に合わせる左ストレートや、強烈なミドルキックでダメージを蓄積させる戦い方を得意としています。

そのため、派手なKO決着だけでなく、3ラウンドを通じて相手をコントロールし続ける「完封勝利」が多いのが特徴です。特に矢地祐介選手や、斎藤裕選手との再戦では、相手に何もさせないような支配力の高さを見せつけました。

THE OUTSIDER時代の伝説と初期キャリア

朝倉未来選手を語る上で欠かせないのが、アマチュア・セミプロ大会「THE OUTSIDER」での活躍です。ここで彼は「路上の伝説」という異名を確立し、プロへの足がかりを作りました。

路上からリングへ:アウトサイダーでの活躍

少年時代の喧嘩エピソードと共にアウトサイダーに参戦した朝倉未来選手は、その圧倒的な当て勘の良さと、喧嘩で培ったメンタルの強さですぐに頭角を現しました。当時のファイトスタイルは現在よりもアグレッシブで、一撃で相手を倒しに行く荒々しさがありました。

この時期の戦績は驚異的で、ほとんどの試合で勝利を収めています。単なる「不良の喧嘩」の枠を超え、本格的な格闘技の技術を吸収していくスピードの速さは、当時から関係者の間で話題となっていました。

史上初の2階級制覇王者へ

THE OUTSIDERでは、60-65kg級と65-70kg級の2つの階級で王座を獲得し、団体史上初の2階級制覇を成し遂げました。特に、当時の絶対王者であった吉永啓之輔選手を右フック一撃で沈めた試合は、今でもファンの間で語り草となっています。

この頃の活躍によって「朝倉未来」の名前は全国の地下格闘技ファンに知れ渡り、より大きな舞台であるRIZINへの参戦待望論が高まっていきました。

RIZIN参戦前の韓国ROAD FCでの経験

THE OUTSIDERでの成功を引っ提げ、彼は韓国のメジャー団体「ROAD FC」にも挑戦しています。ここでの経験は、彼が「井の中の蛙」ではなく、世界レベルの選手とも渡り合えることを証明するものでした。

元ボクシング王者のオ・ドゥソク選手をハイキックでKOした試合は衝撃を与えましたが、一方でイ・ギルウ選手には判定で敗れ、プロの厳しさも味わいました。この敗戦が、後の緻密な戦略家としての朝倉未来を作り上げた一つの要因と言えるかもしれません。

RIZINでの快進撃とトップファイターへの道

2018年、満を持してRIZINに参戦すると、ここから朝倉未来選手の快進撃が始まります。YouTuberとしての活動も本格化し、格闘技を知らない層までも巻き込んだ社会現象となっていきました。

衝撃のRIZINデビューと連勝記録

RIZINデビュー戦の相手は、元修斗世界王者の日沖発選手でした。下馬評では不利と言われることもありましたが、結果は1ラウンドTKO勝利。ハイキックからのパウンドでベテランを粉砕し、その実力が本物であることを証明しました。

その後も、カルシャガ・ダウトベック選手やリオン武選手といった実力者を次々と撃破。特にリオン選手を飛び膝蹴りからのパンチで倒した試合は、彼の勝負強さを象徴するシーンでした。ここから彼は無敗のままトップ戦線へと駆け上がります。

矢地祐介戦での「完封」劇

2019年の年末、当時のRIZINエース格であった矢地祐介選手との対戦が実現しました。階級上の相手(矢地選手はライト級主戦)との対戦でしたが、試合終了間際のダウン奪取を含め、終始試合をコントロールして判定勝利を収めました。

この試合で「朝倉未来は強いだけでなく、クレバー(賢い)だ」という評価が定着しました。相手の攻撃をかわしてニヤリと笑う余裕を見せるなど、エンターテイナーとしての資質も存分に発揮された一戦です。

斎藤裕とのフェザー級王座決定戦

連勝を重ねた朝倉未来選手は、2020年、ついに初代RIZINフェザー級王座決定戦に挑みます。対戦相手は、修斗王者の斎藤裕選手でした。勝敗予想では朝倉選手有利の声も多かったものの、結果は0-3の判定負け。

斎藤選手の堅実なレスリングと的確な打撃に対し、決定打を欠いたことが敗因でした。これがRIZINでの初黒星となり、彼のキャリアにとって大きな転換点となりました。しかし、翌年行われた再戦では見事に判定勝利し、リベンジを果たしています。

試練の時期と強豪選手との激闘

斎藤裕選手へのリベンジを果たした後、朝倉未来選手はさらなる高みを目指しましたが、そこには世界の壁とも言える強豪たちが待ち受けていました。

クレベル・コイケ戦での失神一本負け

2021年、元KSW王者で柔術のスペシャリスト、クレベル・コイケ選手と対戦。打撃では優位に立つ場面もありましたが、2ラウンドに引き込みからの三角絞めを極められ、失神一本負けを喫しました。

タップ(参った)をせずに失神するまで耐え抜いた姿は「根性がある」と称賛される一方で、寝技技術の差を指摘される結果ともなりました。この敗戦は彼に深いショックを与え、一時は引退を口にするほど追い詰められましたが、ここからさらに進化を模索することになります。

ヴガール・ケラモフとのタイトルマッチ

クレベル戦の敗北後、牛久絢太郎選手に勝利し再びタイトル戦線に戻ってきた朝倉未来選手。2023年7月、空位となったフェザー級王座を懸けて、アゼルバイジャンの強豪ヴガール・ケラモフ選手と対戦しました。

ファンの期待を背負っての一戦でしたが、結果は1ラウンド2分41秒、リアネイキッドチョークによる一本負け。何もさせてもらえないまま完敗したこの試合は、彼のキャリアの中で最も厳しい現実を突きつけられた瞬間だったと言えるでしょう。

ワンポイント解説:苦手なタイプ

朝倉未来選手は打撃戦には滅法強いですが、クレベル選手やケラモフ選手のように「圧倒的なグラップリング(寝技・組み技)能力を持つ選手」を相手にすると、持ち味であるカウンターを封じられ、苦戦する傾向にありました。

エキシビションマッチと他競技への挑戦

公式のMMA戦績には含まれませんが、朝倉未来選手のキャリアを語る上で外せないのが、ボクシングやキックボクシングといった他ルールへの挑戦です。

フロイド・メイウェザーとのボクシングマッチ

2022年9月、ボクシング界の生ける伝説、フロイド・メイウェザー選手とのエキシビションマッチが実現しました。「路上の伝説 vs マネー」という構図は世界的な注目を集めました。

結果は2ラウンド終了間際にTKO負けとなりましたが、メイウェザー選手に数発パンチを当てて会場を沸かせる場面も作りました。勝敗を超えて、世界最高峰の技術を肌で感じた経験は、その後の彼の活動に大きな影響を与えています。

YA-MANとのオープンフィンガーキックルール

2023年11月、自身がプロデュースするイベント「FIGHT CLUB」にて、YA-MAN選手とキックボクシングルール(オープンフィンガーグローブ着用)で対戦しました。

しかし、結果はまさかの1ラウンドKO負け。慣れないルールやモチベーションの低下などが囁かれましたが、立ち技のスペシャリストであるYA-MAN選手の気迫とパンチ力に飲み込まれた形となりました。この敗戦後、彼は涙ながらに自身の進退について苦悩する姿を見せました。

最後の戦い?平本蓮戦とその後の進退

数々の栄光と挫折を経て、朝倉未来選手は「負けたら引退」という覚悟を持って、因縁のライバルとの決戦に挑みました。

因縁のライバル・平本蓮とのスーパーライジン3

2024年7月28日、「超RIZIN.3」のメインイベントで平本蓮選手との対戦が実現。長年にわたりSNSを通じて挑発し合ってきた両者の決着戦には、4万人を超える観客が集まりました。

「LMS(ラストマン・スタンディング)ベルト」が懸けられたこの試合、朝倉未来選手は1ラウンド序盤から平本選手の強烈な左ストレートを被弾し、ダウン。そのままパウンドの連打を浴び、1ラウンド2分18秒、TKO負けを喫しました。

メモ:この試合後、平本選手のドーピング疑惑が一部で報道されましたが、試合結果としての公式記録(TKO負け)や、それを受けた朝倉選手の引退の意思表示という事実に、現時点で大きな変更はありません。

試合結果と引退表明について

試合翌日、朝倉未来選手は自身のSNSで「自分が戦うのは一旦終わりにします」と投稿し、事実上の引退を表明しました。YouTubeや実業家としての活動は継続しつつも、プロ格闘家としてのキャリアにはピリオドを打つ形となりました。

「格闘技が人生だった」と語る彼の言葉には、悔しさとともに、長きにわたり第一線で戦い続けてきた充実感も滲んでいました。

まとめ:朝倉未来の対戦成績から見る格闘技界への功績

朝倉未来選手の対戦成績とこれまでの歩みを振り返ってきました。

彼のキャリアは、プロMMA戦績 約17勝5敗という立派な数字だけでなく、格闘技をエンターテインメントとして世間に広めた功績が非常に大きいです。

THE OUTSIDERでの鮮烈なデビュー、RIZINでの連勝記録、そして世界の強豪やライバルたちとの死闘。勝った試合も負けた試合も、常に話題の中心にあり、多くの人々に熱狂を与えてくれました。

選手としては一線を退く形になりましたが、彼が作り上げた「JAPAN TOP TEAM」や「BreakingDown」などの活動を通じて、その格闘技への情熱は次の世代へと受け継がれていくことでしょう。

 

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