スーパーレックの戦績と強さを徹底解剖!武尊・ロッタンを倒した「キッキングマシーン」

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「この男、強すぎる…」世界中の格闘技ファンを震撼させ続けているのが、タイ出身の“キッキングマシーン”こと、スーパーレック・キアトモー9です。ムエタイとキックボクシングの両方でONE Championshipの世界王者に輝いた彼は、日本のカリスマ・武尊選手との激闘や、ジョナサン・ハガティー選手への秒殺KO劇でその名を轟かせました。

この記事では、スーパーレックの圧倒的な戦績から、ファイトスタイルの秘密、そしてライバルたちとの名勝負までを分かりやすく解説します。

スーパーレック・キアトモー9の戦績と基本プロフィール

まずは、スーパーレック選手がどれほどのキャリアを積み重ねてきたのか、その数字と背景を見ていきましょう。ただ強いだけでなく、長きにわたりトップ戦線で戦い続けている「生きる伝説」でもあります。

130勝を超える圧倒的な通算戦績

スーパーレック選手の戦績は、まさに驚異的です。ムエタイの聖地・タイで子供の頃から試合を重ねており、プロ通算戦績は約170戦以上、130勝以上(※集計により変動あり)を誇ります。その勝率は8割を超え、世界最高峰の舞台であるONE Championshipに参戦してからも、その強さは衰えるどころか進化を続けています。これだけの試合数をこなしながら、KO負けが極端に少ないのも彼の大きな特徴です。

獲得した主要タイトルと輝かしい経歴

彼は「2階級制覇王者」として君臨しています。獲得した主要なタイトルは以下の通りです。

【主な獲得タイトル】

・ONEフライ級キックボクシング世界王者
・ONEバンタム級ムエタイ世界王者
・ルンピニースタジアム認定スーパーフライ級王者
・ルンピニースタジアム認定バンタム級王者
・WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者

特筆すべきは、ムエタイの権威ある「ルンピニースタジアム」の王座を獲得しただけでなく、世界の強豪が集まるONEで「キックボクシング」と「ムエタイ」という異なるルールの両方で頂点に立ったことです。これは彼の技術がいかに汎用性が高く、完成されているかの証明と言えるでしょう。

「キッキングマシーン」と呼ばれるファイトスタイル

スーパーレック選手の代名詞といえば、リングネームの通り「蹴り」です。特に右のミドルキックは破壊力抜群で、ガードの上からでも相手の腕を破壊するほどの威力を持ちます。しかし、彼はただ攻めるだけの選手ではありません。

タイ語で「ムエ・フィームー(技巧派)」と呼ばれるスタイルで、相手の攻撃を見切るディフェンス能力や、試合運びの賢さ(ファイトIQ)がずば抜けています。無理にKOを狙わなくても、完封して勝つことができる、まさに「負けない戦い方」を知り尽くした達人です。

名門ジム「キアトモー9」のエリート

彼の強さの源流は、所属するジム「キアトモー9(キアトムーガオ)」にあります。タイのブリーラム県にあるこのジムは、多くの名選手を輩出してきた名門中の名門です。スーパーレック選手も叔父であり伝説的なムエタイ選手であるシンダム氏の影響を受け、幼少期から厳格なトレーニングを積んできました。エリート教育を受け、伝統的なムエタイの技術を極限まで高めた存在、それがスーパーレックなのです。

ONE Championshipでの衝撃的な強さと名勝負

世界中のファンがスーパーレック選手の名前を記憶に刻んだのは、やはりONE Championshipでの数々のビッグマッチでしょう。ここでは、特に世界を揺るがした3つの試合を振り返ります。

世界を震撼させたジョナサン・ハガティー戦の秒殺劇

2024年9月、アメリカで行われた大会で、スーパーレック選手は当時のバンタム級ムエタイ王者、ジョナサン・ハガティー選手(イギリス)に挑戦しました。ハガティー選手もまた、ロッタン選手から王座を奪った超強豪です。

試合は誰も予想しなかった結末を迎えました。開始わずか49秒、ハガティー選手が踏み込んできた瞬間にスーパーレック選手が放ったのは、右の縦ヒジ(カウンターのエルボー)。この一撃でハガティー選手は崩れ落ち、そのまま立ち上がれずKO決着となりました。テクニシャンだと思われていた彼が、一瞬で試合を終わらせる殺傷能力も見せつけた、衝撃的な戴冠劇でした。

日本のカリスマ・武尊との技術戦

日本の格闘技ファンにとって忘れられないのが、2024年1月に行われた武尊選手とのタイトルマッチです。当初、武尊選手の相手はロッタン選手が予定されていましたが、負傷によりスーパーレック選手に変更。この緊急事態にも関わらず、王者は万全の強さを見せつけました。

試合では、スーパーレック選手が序盤から徹底して右ローキックを連打。武尊選手の前進を止めるために足を破壊する作戦に出ます。第3ラウンドには武尊選手が怒涛のボディ連打で王者を追い詰め、会場を熱狂させましたが、スーパーレック選手は驚異的なタフネスでこれを凌ぎ切りました。結果は判定勝利(3-0)。武尊選手の猛攻を封じ込めた「完封力」が光った一戦でした。

親友であり最強のライバル・ロッタンとの世紀の一戦

2023年9月、ムエタイ界の二大スター、スーパーレック対ロッタン・ジットムアンノンがついに実現しました。この試合は「過去50年で最高のムエタイマッチ」と称されるほどの注目度でした。

しかし、試合前にスーパーレック選手が計量オーバーをしてしまい、ノンタイトル戦になるという波乱がありました。それでも試合内容は壮絶そのもの。ロッタン選手の強打に対し、スーパーレック選手は的確な打撃で応戦。第2ラウンドにはスーパーレック選手がヒジ打ちでダウンを奪う場面もありました。結果は判定でスーパーレック選手の勝利。体重超過のミソはついたものの、真っ向勝負で「破壊神」ロッタンを上回る技術を見せつけました。

なぜスーパーレックはこれほど強いのか?

多くの猛者が集まるONEの中でも、なぜスーパーレック選手はずば抜けて強いのでしょうか。その理由は、単なる身体能力だけではありません。

相手の腕を破壊する「右ミドルキック」

彼の最大の武器は、やはり右ミドルキックです。このキックの恐ろしいところは、スピードが速く、予備動作(蹴る前の癖)がほとんどないことです。相手は反応が遅れ、ガードの上から蹴られ続けることになります。これを繰り返されると、相手は腕が上がらなくなり、パンチを打てなくなるのです。「ガードしてもダメージが蓄積する」という絶望感を相手に与えます。

鉄壁のディフェンスと空間支配能力

スーパーレック選手は、相手との距離感(空間支配)の天才です。相手のパンチが届かないギリギリの位置に立ち、相手が踏み込もうとすると前蹴りやジャブで突き放します。また、相手の攻撃をスウェー(上体を反らす)やパリング(手で払う)で無効化する技術も一級品。パンチ主体の選手にとって、彼にクリーンヒットを当てることは至難の業です。

ムエタイとキックボクシングの両方に対応できるIQ

通常、ムエタイ選手はキックボクシングルール(ヒジ打ちなし、首相撲制限あり)に苦戦することが多いです。しかし、スーパーレック選手はルールに合わせて戦い方を変えることができます。ムエタイではヒジや組みを使い、キックではステップワークと速い連打を使う。この高い適応力(ファイトIQ)こそが、2つの競技で王者になれた理由です。

過去のライバルたちとの名勝負振り返り

スーパーレック選手のキャリアを語る上で欠かせない、過去のライバルたちとの関係についても触れておきましょう。

パンパヤック・ジットムアンノンとの因縁

スーパーレック選手の最大のライバルといえば、同世代の天才ムエタイ戦士、パンパヤック・ジットムアンノン選手です。二人はこれまでに7回以上(諸説あり、8回とも言われる)対戦しています。長らく「実力の拮抗したライバル」として切磋琢磨してきましたが、ONEでの対戦(2022年)ではスーパーレック選手が勝利を収めました。二人の試合は常に高度な技術戦となり、ムエタイの教科書のような攻防が繰り広げられます。

内藤大樹ら日本人選手との対戦実績

実は武尊選手以前にも、彼は日本人選手と対戦しています。2022年には、日本の内藤大樹選手と対戦。内藤選手もローキックを得意とする実力者ですが、スーパーレック選手はそれを上回る蹴り技で判定勝利しました。また、過去には小川翔選手などとも対戦経験があり、日本人ファイターに対して高い勝率を誇っています。

苦い経験となったエナッシ戦

無敵に見えるスーパーレック選手ですが、苦い経験もあります。2021年、ONEフライ級キックボクシングタイトルマッチでイリアス・エナッシ選手に挑んだ際、判定負けを喫しました。この判定はファンの間でも議論を呼びましたが、この敗北が彼をさらに進化させ、後のキックボクシング王座奪取へのモチベーションになったと言われています。

スーパーレックの戦績から見る「まとめ」

最後に、スーパーレック選手の戦績と強さについて要点をまとめます。

・通算戦績:170戦以上、130勝を超える圧倒的な経験値と勝率。
・獲得タイトル:ONEでキックボクシングとムエタイの2冠を達成し、ルンピニー王座も経験。
・主な勝利:武尊、ジョナサン・ハガティー、ロッタンといった各国の最強選手を撃破。
・強さの秘訣:「右ミドルキック」と「鉄壁のディフェンス」、そしてルールに適応する高いIQ。

スーパーレック・キアトモー9の戦績は、単なる数字の羅列ではありません。それは、ムエタイという競技の深さと、彼自身の飽くなき向上心の証明です。今後も防衛戦や新たな階級への挑戦など、彼の伝説はまだまだ続いていくことでしょう。次の試合では、ぜひその「神技」のようなテクニックに注目して観戦してみてください。

 

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